【個別分析】グリーンクロス

福証単独上場で地味ながら連続増収増益増配を続ける堅実さと、変わった濃いカレンダーをくれる優待でも知られているグリーンクロスについて紹介させて頂きます。

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【事業内容など】
グリーンクロスは安全機材販売、安全機材のレンタル、看板の制作と販売を手掛けています。簡単なのでビジネスモデルを図にしてみました。

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卸売業なので、メーカーから仕入れて販売する、もしくはレンタルするのが基本のビジネスになります。

主な商材は工事用安全機材と看板です。安全機材は工事中看板やコーン、ヘルメットや安全ベルトなど、意外と多岐にわたります。

安全機材の販売業務はメーカーから製品を仕入れて工事現場に営業をかけて直接販売しています。工事は通常、期間が決まっていますので、購入をすると保管場所に困る会社さんもありますので、コーンや標識などの安全機材のレンタルも行っています。レンタルでは何回か商品を貸し出すことで利益になっていきます。安全機材の一部はマラソン大会のようなスポーツイベントや一般企業向けにも販売/レンタルを行っています。看板は工事現場以外の一般企業からも受注し、自社もしくは子会社が制作し納品する事業になります。近年では古くなった看板のリペアやリメイクの事業も行っています。

昨年の売上高に対する割合は安全機材販売は45%、レンタルは22%、サイン(看板)事業は33%となっています。

当社の強みは営業力です。以下、社長のインタビュー動画からの要約です。

「当社は営業主体の企業であり、どこよりも早く営業に行くことが強み。新聞等の公共工事の落札情報を一早く取得して即行動し、用具販売、レンタル等の営業を掛ける。全国に支店を置き、人を配置し、シンプルに淡々と、スピード感を持って営業をかける。営業向けITツールを早期から導入しており、営業の事例等のナレッジを全社で共有している。建設業界はIT化が遅れているため、他業種の営業と同じようなことを古くから出来ているのが強みである。」

事業内容や営業姿勢も合理的なものであると感じました。余談になりますが、動画の中では、昔の建設工事は談合が普通にあって、どんぶり勘定のため、キックバック的なものも横行していたが、業界全体をフェアなものに変革し、稼げるビジネスとして確立したいという想いが創業者にあったようです。建設業界では特に「当たり前のことをちゃんとやる」会社が長期的な成長を続ける傾向にあるように感じます。

本編に戻ります。当社は福岡地盤の企業であり、西日本の安全機材販売はトップシェアのようです。同業他社や看板事業のM&A、関東圏への支店開設、地震をきっかけに東北にも支店を開設しており、販売網は全国に及んでいます。

自社保有の物流倉庫を佐賀県鳥栖、岐阜羽島、埼玉県久喜に開設しており、幅広い商圏をカバーして商材を流通させることができるようになっています。モノタロウ等を通じたインターネット販売やカタログ注文も可能で、安全機材に特化して幅広く展開しています。工具や周辺部材を何でも販売するトラスコ中山等と事業的には重複する部分もありそうです。

競合は関東地盤でJQに上場しているセフテックになります。セフテックも全国展開をしていますが、サイン事業が無いため事業規模は当社より少し劣ります。一方で、指標的にはセフテックの方が割安で高配当です。ただ、セフテックの社員数はグリーンクロスの工事機材担当の営業社員数より少ないため、後ほど話題に挙げる、工事の増加に対応しにくい面も出てくるのではと推察しています。セフテックが単元80万円もする値嵩株なので買いにくいという理由ではありません…

【業績や指標について】

長期的な業績は以下の表のようになっています。
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更に、以下では売上、営業利益をグラフにして、対象年度に行った主な投資についても追記しました。
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当社はフロービジネスになりますが、全国に支店を拡大していくことや、物流拠点の開設、M&Aやシステム導入など、毎年地道に投資を行い、売上利益共に緩やかではありますが継続的な成長を続けています。成長を続けているといっても、利益水準は華やかさに欠ける2%~10%程度の利益成長なので、注目度はそれほど高く無いように思います。それでもROEは10%以上を維持しており、BPSも10%成長程度でローリングしています。営業利益率は7~8%と、卸売業としては安定的に高水準を維持しています。

ここまでは現状の話です。昨今、話題に挙がることも多いかと思いますが、経済対策を兼ねて災害復旧についての補正予算が組まれ閣議決定される見込みとなっています。公共工事は既に昨年比1.2倍程度の予算編成となっていますが、更なる増額が期待されます。
インタビュー動画で社長もお話されていましたが、当社は工事の量との相関が強く、工事が減ると収益機会が減少しますし、工事が増えると収益機会が増加します。将来的な収益動向については、国土強靭化や災害対策の予算増による工事量の増加により、業績のダウンサイドのリスクが限定的となることが見込まれます。利益水準については、原価の高騰や販管費増で思ったより伸びない可能性もあるかもしれません。

株価推移と指標は以下の通りです。
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PER9.9倍、PBR1.1倍、配当利回り2.7%
ROA10.2%、ROE11.2%、自己資本比率57%、有利子負債倍率0.1倍、時価総額80億円


指標的には比較的割安な部類に該当しますし、借金はほとんどなく財務は鉄壁です。株価は夏ごろに謎の急落があり、以降は軟調に推移しています。過疎株にはよくある光景です。現在の株価900円程度は2017年頃の水準であり、ここ数年の中では安いと思える水準になっています。既に9月に発表された1Q決算についても過去1Qの中では最高を記録しており、営業利益も前期比14%増益となっています。通期予想に対する進捗は39%と一見するとイマイチにみえますが、1Qは例年利益が低調な水準なので、特に問題ないと考えています。12月2週目金曜日の12月13日に2Q決算がでると思われます。前日に分析記事書くなよ!と、お叱りを頂きそうですね…めちゃ不人気なので、2Q決算を確認してから判断しても充分と思います。

市場は株高に沸いていますが、当社株は相対的に軟調なので、比較的長めな時間軸での見直しを狙うマイナーな割安株好きとしては…たぎってきますね。

当社の最大のカタリストは福証から東証への市場変更です。既に東証2部水準は満たしていますし、創業者が本則市場に昇格することを目標としていた経緯もあり、2代目の現社長も自分の使命だとインタビュー動画や記事で語っていたほどの熱量だったので、ここ数年はイベントを織り込んだ形での株価推移をしていたものと推測しています。今期、ここまで主だった投資を行っていないことや、オリンピック前ということで、何やら香ばしい雰囲気を感じなくもないですが、夏の急落はIR等でそのへんの噂が消滅した可能性もありますので、成長性を見ながら、オマケが付いているくらいに考えていれば良いと思います。

私は連続増益増配で鉄壁な財務の企業は好みなので、17年から監視リストに入れていましたが、株価指標と業績を見ていて自分の妥当と思える水準では無かったので、スルーを続けていました。久しぶりにスクリーニングした際に入ってきたこと、将来的な業績期待があることから、ようやく投資の機会が訪れたように感じています。

個人的な見解ではありますが、今期EPSは10%成長の97円、来期EPSも同じく10%成長の105円あたりは狙えるのではないかと考えています。105円×PER13として、現在の株価の約+50%である1300円程度を中期的なターゲットとして、じっくり見ていきたいと考えています。

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とす

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通信系SI勤めの30代のSEで、PMをやっています。保有株は友達を合言葉に企業と共に自分も資産も成長するそんな投資が好きです。同業他社など、地の利を活かせる企業に投資します。当ブログはリンクフリーです。

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