【決算レビュー】ビジネスブレイン太田昭和 FY18本決算

ビジネスブレイン太田昭和の2019年本決算が4/26に発表されました。3月の権利直前で再参戦した初心者ですので、企業分析も兼ねて自分なりに考察していきます。過去の分析記事はこちら
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<前期の動向>
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下段が昨年の本決算、上段が本年の本決算になります。
3Qに上方修正を行っていますが、その時点の予想では売上は245憶、営業利益16億でしたので、売上は同様の水準、営業利益は7.7%程度上振れて着地しています。システム開発屋さんは以前から話している通り、業務効率化や基幹システムの更改需要など、需要がめちゃ強くて高くても買ってくれるお客さんがいるため、一人当たりの単価は向上していますが、開発ツールや開発手法の向上により不採算案件が大きく減少しています。おまけに働き方改革で早く帰れと指導されていて、当社のような一次請けと二次請けをミックスしてやっているような企業においても、原価抑止の傾向にあり、利益が創出できていて、結果的に高い利益成長に繋がっています。

当社は同業の独立系SIerであるJBCCホールディングスのように、連結子会社が多く、事業セグメントも複数に跨っているため、FY17~FY19のセグメント毎の動向をまとめてみましたので、以下の表に沿って確認していきます。
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営業利益の青字は営業利益率5%以上、赤字は営業利益率5%未満に色塗りしています。SI業界の平均のため、私の中では閾値として活用しています。

※ FY17はセグメント毎のデータが無いため決算資料等から個人的に算出しています。若干誤差はあるのでご容赦ください
※ 解りにくいので若干表を修正しました。: 2019/05/03

会計システムコンサル・開発はBBS本体が主に該当します。今年はBBS本体が絶好調で、営業利益が2倍になっていることが当社全体の増益の主な要因になります。昨年の決算資料にも記載のあるように前々期は本体のPJで不採算案件がでていた影響から横ばい圏に留まっており、今年はその影響が無くなったため大幅増益となったと推測します。営業利益率でみると、小型独立系のシステム開発企業と遜色ない利益率であるため、一過性のものでは無いと思います。詳細は決算資料待ち。

金融業界向けシステム開発は子会社のFBS社が主に該当します。当社は前年比減益となっており、相変わらず苦戦しています。17年のように回復の傾向があると良いのですが、大型金融案件のピークアウトなどもあり、業界内ではこのセグメントで苦戦している企業も幾つかあります。銀行や証券といった金融の収益性が先細っており、大規模なシステム開発が抑止傾向にありますが、ブロックチェーンやフィンテックなど、小さいながら新しい技術に対する需要はあるので、継続的に取り込めていくかが焦点。このセグメントは今期も状況を注視する必要があると考えます。

情報セキュリティコンサルティングはGSX社が該当します。対前年比では大きく増益は確保したものの、FBSと同様に採算性が良いとは言えません。このご時世、セキュリティのアセスメントや教育に対する需要はめちゃめちゃありますが、有スキル者が目視でチェックする部分も未だにあり、あまり儲かりません。現状は脆弱性に対する観点は増える一方なのに、人海戦術で脆弱性チェックを行う必要があるので致し方ないと思います。もう少し自動化できる部分が増えてくると変わってくると思いますが、中長期的に状況は変わらないと思います。グループ内にセキュリティ子会社や組織を配置して内製化する場合、開発PJに対して、良心価格で実行して不採算になっているのを、外販で儲けて補うような状況になりやすいです。BBS本体の利益率向上で我慢しましょう。

PLM支援ソリューションは主にPLMJ社が該当します。当社は東証一部のアルゴグラフィックス社と合弁で設立したCADソリューションを扱うベンダーになります。2017年にアルゴグラフィックス社から大部分の株式譲渡を受け、BBSが多くを占めています。当社は自前でパッケージソフトを展開しているので、営業利益率は文句なし。昨年に比べて利益が倍増しており、業績に寄与しています。

BPO事業は人事給与関連アウトソーシングを展開するBOS社を中心に複数の子会社で構成されています。昨年ようやく黒字化にこぎ着けましたが、BBSで展開するRPAの活用などを通じて、更に生産性は増していて、全体を通してみると好調で、文句ありません。余談になりますがBOS社は2015年にセゾン情報システムズから事業譲渡されており、400百万円で買収しましたが、今期は340百万円、前期は256百万円と既に譲渡費用の元は取っています。(16年17年の赤字をいれるとトントンくらいでしょうか)

全体として、前々期はアウトソーシングの黒字が利益成長の原動力、前期はBBSの大幅な利益成長+PLMJやBOSなどのM&Aした企業の採算性向上による成長と考察出来ます。16年、17年に構造改革費用増により利益停滞があったとはいえ、2年連続で営業利益40%以上成長はさすがに圧巻な内容です。

<キャッシュフローの状況>
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上記はキャッシュフローの状況です。上段は今期、下段は前期です。今期は日本ペイメントテクノロジー社を取得しています。BSをみると100百万円で取得していますので投資キャッシュフローの約半分はこの費用。現金も既に62憶も保有しており、順調に貯め込んでいます・・・。BPO事業も採算性が向上し、稼げるようになっていますので、もう少し積極的な投資に動いても良いのではとも思います。時価総額160憶円で現金60憶,、有価証券13億、売掛金45億を保有していることを考慮すると、キャッシュリッチで財務状況も年を重ねる毎に強固になっていることが伺えます。

<長期的な業績推移と配当>
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同業の中では業績は凸凹している方ですが、ここ3年で大きく成長しています。太田昭和監査法人が源流となっており独立系のSIの中では会計システムに強みを持っており、独自のポジションを築いています。ITコンサル寄りの何でもやる派なので、転職サイトの口コミ等をみるとベイカレントなどに近い印象です。増配により今期の配当は50円となっていますので、9年連続増配になります。ただ、リーマンショック時に減配していることは気がかりですが、財務状況や配当性向を考えると余力充分。

<今期予想>
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上記は今期予想です。上段は今期、下段は前期です。昨年も、微増益予想で蓋を開けると大幅増益で着地していますので、保守的に見積もっているように感じます。営業利益ベースではBBS本体の利益率引き上げで+100百万円、BPO事業の利益率向上で+50百万円、増収分の営業利益上積みで+50百万円程度は期待出来ると考えるので、+10%増益程度は見込めると思いますが、前期のような驚異的な大幅増益にはGSX社やFBS社の利益寄与が不可欠な状況で、ハードルは高いと思います。

<指標など>
PER11.8倍、PBR1.38倍、配当利回り2.47%、予想ROE11.74%、優待利回り1%

直近は回復気味ではありますが、昨年の暴落で株価が軟調気味だったものの、結果的には大幅増益で着地したことで、前期上方修正前の予想PERは17~20倍程度で推移していたものが、予想PER10~12倍程度まで低下しており、表面上は割安になりました。成長性の高い業種であるSIerの中では、ROEや営業利益率でみると同業の中ではやや劣後する部分もありますが、2期連続で40%以上の利益成長していることを考えると、指標的には寂しい状況です。今期以降も着実な増収分を利益に出来ると2桁増益程度は見込めると思います。前期までの超成長企業のような過度な期待は難しいと思いますが、現状の業績が一過性のものでは無いことが広まれば、それなりな水準訂正は期待できると考えます。


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通信系SI勤めの30代のSEで、PMをやっています。保有株は友達を合言葉に企業と共に自分も資産も成長するそんな投資が好きです。同業他社など、地の利を活かせる企業に投資します。当ブログはリンクフリーです。

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