売上高販管費率の魔力

決算を確認する中で、気になる点がありましたので、考察していきます。
今回気になったのは表題にもある通り、売上高販管費率についてです

売上高は企業の目的たる商品・製品などを販売又はサービスによって得た代金になります(Wikiの記載を流用)
この売上高は売上原価と売上総利益に分解されます。売上原価は売れた商品の仕入れや製造にかかった費用になります。具体的に述べますと、ラーメン屋を例に挙げてみますが麺やスープ、具材の材料や店舗の賃料になります。
売上総利益を分解すると販売費(販管費)と営業利益に分解されます。販売費は販売業務や本社の一般管理業務に発生した全ての費用を指します。簡単に述べると人件費ですね。今回はこの販管費の考察になりますので、営業利益の分解以下については別の機会に確認していきます。ここまでは前置きとお考え下さい

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ここからが本題です。今週、以下のようなツイートをしました。


このカラクリは単純なので例示してみますが、ある会社が今年の決算で売上100、原価が10、販管費60、利益30を計上したとします。翌年に売上100、原価10、販管費63になると利益は27になります。販管費率が高いので営業利益は10%減益となります。

逆に販管費を抑制できると一気に利益成長が加速しますが、業務フローの見直し等である程度、改善を進められますが、人に依存する業務が多い企業では限界もあります。なんとなく違和感を感じたので、同業他社や同じサービス業の別業種を中心に確認していきます。

冒頭でアメイズを挙げましたのでホテルオペレータの売上高販管費率を確認していきます。

グリーンズ:18%、ABホテル:9.6%、共立メンテナンス:13%、日本ビューホテル:73%、

グリーンズとABホテル、共立メンテナンスの3社は原価比率が大きく販管費率が低いのが特徴です。これらはノンアセットオペレータなので賃料が原価に計上されることが主要因になります。自社でホテル開発を行っている日本ビューホテルは売上販管費率73%であることを考慮すると、アメイズの数字が大きいとは言えません。アセットオペレータの場合は自社で利益を独り占め出来ますので、売上高営業利益率が高くなる傾向になります。自社の企業努力によって利益成長の機会が大きいといえますね。ノンアセットオペレータにおいても有利な条件の割安な固定賃料を引ければ、毎年原価は一定のためホテルの単価や稼働率改善により利益成長できる機会があります。(ポジトークになりますが、この点がグリーンズの強みだと考えています!)

※ かもねぎさんからアメイズはホテルの水道光熱費が販管費に計上されている点を指摘いただきました。一方で改めて確認するとグリーンズは水道光熱費が原価に含まれていました。割合が大きく異なる一因になります。

→以下、少し売上高比率でアメイズとグリーンズ、ABホテルで分解してみました。
アメイズ:水道光熱費6.9%、一般管理費17.5%(左記の2項目は販管費に含む)
グリーンズ:水道光熱費6.4%、賃料26%(左記の2項目は原価に含む)
ABホテル:水道光熱費5.7%(当項目は原価に含む)

水道光熱費の比率は確認した3社は同水準でした。当たり前のことですが、数字はウソを付きませんね。アメイズは一般管理費外の業務委託費が10億ほどあり、これが8%程度占めています。恐らく業務委託費は他のホテルでは販管費に含まれているとおもわれるので、アメイズの一般管理費17.5%とグリーンズの販管費18%は数字こそ同じですが本質的には全く異なるものと思えます。分解すればするほど深みに嵌っている感じがします。

続いて、メンテナンス業を確認していきます
三機サービス:15%、イオンディライト:7.4%、シンメンテHD:17%、ビケンテクノ:4%

イオンディライトは資材や自動販売機部門もありますし、ビケンテクノは小売やっていますし、単純に比較するのは難しいです。本業のメンテナンスについても、資材等も含まれるためか、原価は一定数計上されており、売上販管費率は比較的低い傾向にあります。(三機サービスは持っていたことがありますが、この業種への投資経験が少ないため、理解に乏しいです・・・。)

続いて、人材紹介・転職関連業を確認していきます
クイック:45%、JACリクルートメント:66%、キャリアデザインセンター:54%

転職エージェントや人材紹介企業はエージェントの能力に依存する部分が多いため、販管費率は非常に高い傾向にあります。システム化されているとはいえ、クライアントとユーザの調整など人に依存する部分が多いためサービス色が濃いのが特徴です。余談にはなりますが、このセクタの特徴としては昨今の新卒で就職した企業へ永久就職する流れから、条件が合えばより良い企業にチャレンジする風土へと変わりつつあります。市場の成長・拡大を享受し、各々の企業で売上が成長しているため、販管費増には対応出来ているように見えます。

サービス業では他に幼児教育、学習塾や介護関連がありますが、保育園や介護関連では補助金が計上されることを考慮すると、中身を詳細に確認して比較するまで興味が沸きませんでしたので、別の機会に確認することを検討してみます。

今回はサービス業を中心に売上高販管費率に着目して確認していきました。売上高販管費率が高いと悪い訳ではなく、利益への影響が大きいというだけです。逆に原価比率が高いと、企業の努力範囲外の要因に左右されることになり、利益の振れ幅が大きくなります。(商社や食品業なんかがまさにこのケースに該当します。)

大きな売上高成長があれば多少の販管費増も吸収できると思いますが、売上高成長が緩やかになる局面では企業努力によってコントロールしやすいのは売上高販管費率の高い企業ではあります。しかし、今回の考察のきっかけのように昨今の人件費高騰による販管費の上昇がマイナスに作用することもあることは頭の片隅に入れておく必要があると思いました。


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通信系SI勤めの30代のSEで、PMをやっています。保有株は友達を合言葉に企業と共に自分も資産も成長するそんな投資が好きです。同業他社など、地の利を活かせる企業に投資します。当ブログはリンクフリーです。

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