【個別分析】遠州トラック

【事業内容など】
当社は東海地盤の運送会社です。住友倉庫傘下に加わり、近年、高い成長性がある割安成長株としても見出されているマイナー小型株ながらも認知度の高い銘柄であり、私がご紹介するのも烏滸がましいかもしれません。

遠州トラックは浜松本社を中心に、全国展開しています3PLや引っ越し等の事業を含む、総合陸運業を展開しています。昨年、アマゾンデリバリープロバイダに指定されており、成長にモメンタムが付いてきた印象があります。アマゾンデリバリープロバイダはTMG、SBS、ロジネットジャパン(札幌通運、ロジネットジャパン西日本)ヒップスタイル、ギオンデリバリー、丸和運輸機関、若葉ネットワーク、ヒップスタイル、遠州トラックとなっており、上場企業の中では指標的にロジネットが1番割安で、遠州トラックが2番目に割安と言えます。ロジネット同様、Amazon事業に関する評判は良くないです。Amazon向けのサービスとしては静岡、愛知、神奈川、東京、千葉、埼玉、福島、富山を担当しています。当社は、自前で倉庫を開発する、アセットタイプの物流業者のため、多額の倉庫開発費用が計上されるため、事業拡大に時間がかかることが懸念されます。その一方で生産性が改善していき、償却が軽くなるころには金のなる木を手に入れることが出来るため大器晩成型といえるでしょう。

当社については設備投資計画が透明で、キャパシティの増加が計算出来ることが魅力です。今期に関しては2019/5より、掛川西郷倉庫(2.3万平米)が営業を開始したことや、2019/10より浜松で新倉庫(1万平米)を稼働させる計画となっています。掛川西郷倉庫は、ユニチャーム向けで、県内最大級の倉庫のようです。この設備投資が業績ドライバになると見込まれますが、稼働開始後すぐに満床となるかは不明ですし、オペレーションの練度も向上させる必要があり費用先行となることも十分予想されます。

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親会社とダブルブランドで展開している倉庫もあります。

【業績等について】
以下は長期的な業績推移になります
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5年前は営利9億円ほどで停滞していましたが、2015年からは大きく営業利益が成長している様子が伺えます。ECの拡大に伴って、倉庫や車両への投資を行いながら事業を拡大させてきました。減損がたびたび発生するため、最終益ベースでは安定感はありませんが営業利益は安定成長を続けています。売上も拡大しており、スケールメリットが活かせる規模になりつつあるといえます。ただ、幹線輸送が直近、1年で2倍に増えているそうで、外注(協力会社)を活用して荷物を捌いているとの記事もあります。遠州トラック、協力会社に増便要請

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有報を確認すると上記の通り、Amazon向けが2倍と急拡大している様子が伺えます。倉庫のキャパシティ増強も相まって、拡大傾向は続く事が予想されますし、配送ルートの効率化など、ビジネスプロセスの改善による利益成長も期待されます。Amazon関連として取り上げられることも多い同社ですが、静岡・山梨・神奈川で展開するおうちコープの配送事業も手堅い事業の一つです。おうちコープ事業の記事 売上も微増で増えてきています。

【指標等について】

予想PER:7.4倍(実績PER:9倍)、PBR0.68倍、配当利回り3.06%、有利子負債0.48%、自己資本率54.6%
ROE:9.1%、ROA:6.1%


財務に関しては、近年着実に良くなってきており、業績拡大につれて連続増配中ですが、無理ない範囲の配当性向なので、業績次第ではこの傾向は続きそうに思います。2015年には減損と同時に減配も発表しており、業績見合いの配当となる傾向にも読み取れますが、配当性向の低さを考えると、設備投資を考慮しても維持もしくは微増は出来そう。

資産的な面にも触れますが、ほとんどが静岡を中心とした倉庫と事業所の価値になっています。首都圏についても、千葉や神奈川、埼玉に拠点を設けていますが、希少なところにあるわけではないので、何かカタリストになるような潜在要素は秘めていないように思います。自社開発なので、REITから倉庫を借りるノンアセットに比べると、賃料の支払いがないのでオーガニックな利益の積み上げが可能です。そのぶん減価償却が必要で、地方物件のため建物費用の計上が大きくなることが予想でき、表面上はその効果が数字に表れにくい可能性はあります。

今期は22%増益と、大幅増益計画を本決算で発表し、一時は株価も上がっていましたが、直近は新たな材料もなく調整基調。先般記載した積極的な設備投資に加えて、当社のリソース以上の仕事がある状況で、失注や外注委託費の増加等で一時的に利益に関してはブレが出ることが予想されますので、会社予想はやや強気である認識です。実績EPSと予想EPSの間、10%成長くらいでローリングすることを念頭に置いて安いか高いかを判断するのが良いかなーと考えています。日本株の弱さや新興市場の同業他社と比較してもさして指標上の大差はないし、不人気なのでPERの訂正はあまり狙えないと考えています。

4半期決算ではブレが生じるでしょうけど、ブレを超えた先には強く大きい事業基盤を築ける可能性がありますので、そこを取りに行きたいと考えています。

陸運業は、定期的に車両や倉庫の設備投資が必要な業種であり、2%以下の配当利回りであるケースがとても大きかった印象を持っています。近年のEC拡大に伴う利益成長で財務が改善し、株主還元を出来るようになっただけでも結構大きいことだと認識しています。比較的、長い時間軸で企業の成長を享受することが出来ることを願っています。


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プロフィール

とす

とす
通信系SI勤めの30代のSEで、PMをやっています。保有株は友達を合言葉に企業と共に自分も資産も成長するそんな投資が好きです。同業他社など、地の利を活かせる企業に投資します。当ブログはリンクフリーです。

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