個別分析 エイジス

【解説】
エイジスは棚卸代行業者です。あまり聞き慣れない方もいると思いますが、決算などの際には在庫がどれだけあるか検品する必要があります。しかし、この棚卸は大量の時間がかかります。よって、中規模から大手の小売は当社のような棚卸専門家にアウトソーシングするわけです。

主力の棚卸以外にも、店舗運営に関するコンサルタントや覆面調査なども請け負っています。

日本が主力で、棚卸代行業者では日本1位となっておりシェアは7割以上です。日本は消費が頭打ちなことから、伸長の余地も限定的となっており、海外の棚卸業やリテールアドバイザ業務にシフトしようとしています。

近年は好業績で割安成長株として有名な当社ですが、昨年はブラック企業として報道されていたこともあり、知名度はあります。
現在は社を挙げて、長時間労働是正に向けた取り組みを行っています。

【指標&チャート】
PER 9.1倍 PBR 1.70倍 配当利回り2.04% ROE18%


aijis.png

指標面からは割安と言えます。今期の予想が1%成長に留まるとのことで、直近は成長期待が剥落し、割安感が増しています。

【投資に対するファクター】

■ポジティブ
・足許では、国内小売り業の活性化に伴い、棚卸業は拡大傾向。王者がより強くなる素地がある。
・海外棚卸事業の高成長(CAGR20%程度は可能か?)
 →海外事業の利益は現在、5%程度で限定的
・リテールサポート事業の高成長(CAGR10%は可能か)
 →事業の利益は現在、15%程度で限定的

■ネガティブ
◆短中期要因
・国内棚卸事業頭打ち
 →おそらくよこばい程度だが、利益の7割が本事業のため影響大
・長時間労働是正措置に伴う、受注機会損失懸念
・長時間労働是正措置に伴う、繁忙期の分散化
 →Q毎の数字に凹凸が出てしまい、判断がわかれそう

◆長期要因
・ICタグ含む、棚卸業務の自動化により受注激減

■総評
・ネガティブ要因過多、成長鈍化、月次悪化のため調整しており割安(PER9倍)

・配当利回りは2%程度。優待利回り0.5% (悪くは無いが物足りない水準)

・成長鈍化懸念で、ダイトのように不人気割安に陥る可能性が高い

・短中期のビックチェンジは望めないが、海外市場の拡大により長期的には拡大の可能性を感じる

・会社計画 2018年営業利益 31億 中計 2020:営業利益 34億 ⇒ CAGR3%
→ 国内棚卸事業CAGR 1%、海外棚卸事業CAGR20%、リテールCAGR10%で計算すると
  2020年に営業利益が33.5億となる。(会社計画は妥当ライン)

・新興市場で成長鈍化と考えてもPER10~12が適正。現状EPS240から考えると2400~2900が妥当ラインでしょうか。

当社はアクションラーニングの日根野氏が推す企業であり、他の有名なバリュー投資家さんも保有されています。一方、成長株投資を主体にされている有名な方は技術革新にリスクを感じ、EXITされています。AmazonのAWSが流行するまでは、サーバの時間レンタルなんて考えしなかったのに、今では割と一般的になっています。これがサプライチェーンのフォーマットで起こると、当社のような企業は大打撃だと思います。(ヴィンクスのようなレジソフトメーカやオプトエレクトロニクスのようなレジ機器屋も厳しいでしょうか)

上記から、三者三様見方が分かれる銘柄だと思います。高成長が期待され株価が大きく上昇するような美味しい時期は過ぎ去っています。中期的な低成長を許容し、海外展開やリテール部分の伸長余地を考えると投資チャンスともいえますし、本業の棚卸が激減するなら投資に値しない企業との評価になります。私は前者寄りの考えなので、割安感を感じて投資してみました。海外展開での成功フォーマットは横展開が比較的し易いと考えており、拡大余地が見込めるとも思います。

当社については、不安要素が多いので目標株価の設定はしないでおきます。

投資をされる際の一助になれば幸いです。

個別分析 グリーンズ

先日、グリーンズのIPOに当選しました。せっかくの機会なので、調査してみました。
某有名IPOサイトの方が詳細な情報を提供されていますので、当サイトではコアな情報をまとめます。

【解説】
グリーンズはホテル事業を運営しています。三重県が本社ですので、地方銘柄と言えそうです。グリーンズホテル事業と、チョイスジャパンホテル事業の2軸で事業展開を行っています。

グリーンズホテル事業は自社ブランドによるホテル展開になります。ホテルエコノなどのビジネスホテルにおいても廉価なブランドを運営しています。

出張で金沢のホテルエコノに長期で宿泊したことがありますが、安いことしかメリットのない、古びたビジホでした。(1泊3000円くらいだったと思います。)それでも土地柄、宿泊客は多く立地も良かったので、改修すれば競争力は出てきそうです。

チョイスジャパンホテル事業はコンフォートホテルのフランチャイジー事業です。米国チョイスホテルにロイヤリティを支払いFC展開をしています。店舗は首都圏はもちろんのこと、全国に多数展開しています。こちらはJREITや私募REITなどから不動産を借りて運営を行っています。REITを保有している方なら解ると思いますが、恐らく変動賃料を採用しており業績によって賃料が上下すると思います。物件を借りるので、自社で不動産開発した場合に比べて売上や利益も少なくなってしまいますが、不動産開発に必要な初期投資が不要となります。また、数年単位のリース契約となっていますので、あてがハズレて不採算店となった場合は契約更新時に撤退することも出来ます。

私は出張族ですが、このコンフォートホテルは利用したことがありません。(私はスーパーホテル派なのです) このブランドの競争力がイマイチ解らなかったのですが、某リサーチサイトにおいて9000円以下の低価格帯のビジホ顧客満足度3位となっており競争力は充分にあるように感じます。(転載不可のようなので気になる方はググってください)

余談になりますが、1位はスーパーホテル、2位は法華ホテル、東横インは11位、アメイズのAZホテルは12位、アパホテルは13位でした。スーパーホテルは店舗に限らず、低価格なのにホテルのクオリティが非常に高いので、この順位に関しては幾分かは信憑性があると思います。

ビジネスホテルで上場しているところをみるとユニゾHD、共立メンテナンスやアメイズなどが競合になります。
(ユニゾホテルとドーミーインは9000円以上に分類されており、上記のランキングには入っていませんでした。)

【指標など】
per11倍、pbr4.36倍、利回り0.9%


公募価格1400円に対し、EPS128円、BPS321円(2016年実績値)で計算しています。2017年ではBPS500円台となっていますので、PBR2倍台になりそうです。ドーミーインを運営する共立メンテナンスでPER18.7倍(時価総額1200億)、ユニゾホテルのユニゾHDでPER11倍(時価総額700億)、AZホテルのアメイズでPER12.6倍(時価総額150億)なので市場平均並と考えて良いかもしれません。PBRが低いのはコンフォートに関して自社で不動産開発を行っていないことも起因すると思われます。世間ではインバウンド一服やホテル供給過多懸念なども言われていますが、上記に挙げた3銘柄に関しては売上、利益、共に右肩上がりで業績拡大しています。当社に関しては2015年にピーク利益、2016年は減益となっており、他の銘柄とは違います。

参考に共立メンテナンスとインヴィンシブル投資法人の週足チャートを掲載しました。

共立メンテナンス
kyouritu.png

インヴィンシブル投資法人
innvi.png

同じようなチャートでした。インバウンド絶頂期にピークを付けた株価、チャイナショックを機に供給過多懸念もあり弱気となっています。セクタが弱気となっている時期によくIPOするなーという印象も感じてしまいます。

ポジティブな点をあげるとすれば、ビジネスホテルは需要が堅調で現状の市況は良いので、増資で新たなホテルを取得、開店し、業績が拡大していく可能性が高いです。直近ではユニゾHDが増資を実施しており、足元の業績も拡大しています。当社もIPOで得た資金はコンフォートホテルの新店開拓に使う予定のようです。このバブルが弾けると業績下押し圧力に一変してしまう恐れもあります。

REITもそうですが、ホテル銘柄の利益は下期偏重の傾向が強いです。

【目標株価など】
時価総額170億、売出し70億とIPOとしては重すぎな状況です。残念ながら初値売りで儲かる銘柄とは思えません、公募割れすると思います。直近、2部上場の船場のような株価推移になるものと想定します。

ホテル銘柄は株主優待を設けており、当社も前向きのようです。事業規模も大きく、将来的な一部昇格もありえると思います。

これらを加味して、初値はせいぜい1300~1450円程度でしょうか。しかも、恐らく下期偏重なので、上期にぱっとしない決算が出てしまうと叩き売りされる可能性も充分にありえます。
東証1部への昇格、優待新設、業績拡大などのポジティブ要素が噛み合うと考えると将来的にEPS140円、PER14倍程度は期待出来ると思います。

以上より、目標株価 2000円と設定します。

暫く株価は軟調だと思うので、暴落する場面があれば少し増やすことも考えたいと思います。

個別分析 サクセスホールディングス

sakusesu.png

【解説】
サクセスHDは保育所の運営などを行っています。具体的には受託保育事業と公的保育事業の2種類を展開しています。

受託保育事業は病院、企業、大学などの施設内に託児所を設置し運営を行います。こちらは182施設を手掛けています。
公的保育事業は認可保育園や学童クラブといった、補助金の対象となる施設を120ヶ所を手掛けています。
毎年、20施設程度拡大しています。
施設内受託保育から事業を始めた経緯もあり、この分野に強味があります。業界大手のJPHDより、受託保育施設は多いです。
更にジェイコムホールディングスとの連携を強め、昨年連結子会社になりました。派遣事業大手のジェイコムとのシナジーは雇用面で大きく現れてくると考えます。

次に、業界に目を向けてみます。

保育施設は未だに足りない現状がありますが、働き手の不足、収益性に乏しいビジネス構造を補助金効果で収益をあげられるようになっています。これからも弱小保育施設の淘汰、収益をあげられる大手が寡占していくような構造が想定されます。

ただ、参入障壁が低いのも事実です。上場企業では保育専門では最大手のJPHD、第二位のサクセス、第三位のグローバルグループと3社あります(幼児活動研究会は派遣業ですので省きます。) その他が主力の企業も参画してきています。派遣業が主力の夢真HD、不動産業が主力の桧家HDなどが既に参画しており、今後も競争激化が予想されます。

サクセスには先行の利はありますが、資本力のある後発の企業や優秀なビジネスモデルを武器に拡大されると厳しい展開になる可能性もあります。現在は女性の社会進出が盛んになり、それに伴って保育施設不足が顕著であり、補助金を潤沢に投入して状況を打開する必要がありますので、今後数年は業界的にも拡大が続くと思います。

サクセスHD固有のリスクもあります。
株主数が1930人で東証1部要件の株主数2000人以下の要件を満たしておらず、今期中に改善しなければ、来期は2部に降格です。東証1部の看板は事業拡大のために必要なので、何かしら対策をとるものと考えます。今年の春頃に高値近辺で第二位の大株主であるシノバが株数を減らしています。こちらは恐らく創業家側の法人だと思います。売っている現状から保有株数を減らしたいような意向も考えられます。シノバの立会外分売の実施、もしくは分割が考えられます。株価を考えるなら、優待新設+分売実施が妥当でしょうか。要件を満たすためだけなら、分売のみの実施も推測されます。

【指標など】
PER9.2倍 PBR2.46倍 配当利回り1.68% 自己資本比率24.1% 有利子負債倍率2.32

JPHDがPER22倍、グローバルグループがPER12.5倍ですので、サクセスは相対的に割安となっています。一方、自己資本比率は低く、有利子負債倍率は高いです。施設運営のための不動産取得やリフォームを行う必要があり、借入金が多くなる傾向にあります。

1Qの短信を見ると、短期借入金9億、長期借入金33億に対して、資本金2.8億、資本余剰金5.1億、利益余剰金18億となっており、少し脆弱さを感じます。業界大手のJPHDは短期借入金30億、長期借入金87億に対して、資本金16億、資本余剰金14億、利益余剰金44億と若干サクセスの方が旗色が悪いですが、サクセスの場合は親会社が派遣大手のジェイコムであり、サクセスの事業をジェイコム主力事業の一翼と位置付けていますので、安心感はあると思います。人気の幼児活動研究会は派遣が主力ですので借金はほとんど無く、自己資本比率も高いです。両社に比べて盤石です。

1Q(5-7)決算の結果は営業利益4900万円、経常利益20800万円となっています。見た目の数字は微妙ですが当社は卒園、入園となる、3月~4月に収益が計上されるビジネスですので、1Qで営業利益が残せているのは評価出来ると思います。よく見ると経常利益は補助金が大半であり、まだまだ公的な補助金なしには厳しいのが現状のようです。

【目標株価など】
東証1部の小型にはなりますが、政策期待がある状況でPER8~9倍程度は割安だと思います。四季報の2018年予想EPSも143円とかなり強気でした。当社はここ数年、下方修正がなく、割と手堅い予想を出しています。

会社予想EPSが128円ですので、PER11倍程度として1400円を中期目標株価として考えています。

人気のない銘柄で浮動株も少ないため、板がスカスカで出来高も少なく、流動性に乏しいです。大きく下落することもありますし、政策一つで大きく上昇する可能性もあります。材料株の要素もありますので、噴けば売って落ち着けば買い戻すようなスタンスで取り組むのもありなんでしょうね。ブログやツイッターでもあまり目にする銘柄ではないですので不安な面もありますが、不人気の妙味もあると思います。


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通信系SI勤めのSEで、PMをやっています。保有株は友達を合言葉に企業と共に自分も資産も成長するそんな投資が好きです。同業他社など、地の利を活かせる企業に投資します。当ブログはリンクフリーです。

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