セゾン情報システムズは成長するのか

セゾン情報システムズはクレディセゾングループ傘下のSIerです。当社はクレディセゾン向けや旧セゾンの西武グループの西友などのシステム開発を行っています。特徴的な点としてキーソリューションであるHULFTを保有しており、10年前にDataSpiderを持つアルプレッソを買収しています。

HULFTはFTPなどの高機能版で、セキュリティ機能を持ったファイル連携ツールです。国内では既に広く認知されたソフトですが、世界2位のシェアがあり、海外でも未だに成長しています。枯れたニッチな分野なので、成長余地が気になりますが、Iot分野に関してはセキュアなファイルの送受信の需要は高く、まだまだ期待できると考えています。現在は海外販売拡大など再成長にむけた投資を行っているフェーズです。私は昔から懐古的で、このソフトは成長なんてしないだろうと考えていましたが、実際に適用案件などに携わったことで考えが変わりました。代わりの効きにくいソリューションのため、息の長い収益機会が想定されます

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DataSpiderはEAIツールです。データ連携のアダプタであり、既存のパッケージソフトやクラウドソフトなどを繋ぎます。近年RPAが流行していますが、データ連携やデータ変換といった分野が既存RPAツールを補完するソフトして期待されています。既に先駆け的な存在で国内有数のIT企業が代理店になっています。
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参考:情報畑で捕まえて

当社はクレディセゾン向け開発案件のピークアウトから、今期に至っては前期に比べて最終利益が半減しています。投資対象としてみると厳しいものではありますが、アルプレッソの代表で、セゾン情報のCTOでもあるカリスマプログラマの小野氏が率いる開発集団はベンチャー精神に溢れており、社員を単なる請負のSEから自発的に行動するクリエータへの転換を進めています。この方は、システム業界では有名な方で、開発手法やマネージメントに関しても独自のノウハウを確立しています。私もセッションを聴講したことがあります。社内コミュニケーションにSlackをいち早く活用したり、赤坂オフィスへの集約などでコラボレーションが生まれやすい土台を作っています。社員も各種ITセミナで講演やセッションでスピーカーを勤めるなど、独自色が強くなってきています。

参考:小野和俊のブログ

触れなければいけない過去の懸念もあります。この会社の過去は中々過激です。2015年に開発遅延が原因で親会社と裁判になり、2年に及ぶ大赤字を計上し、自己資本比率が20%代まで低下しています。ビジネスブレイン太田昭和にBPO部門、IT派遣のインフォメーションデベロップメントに派遣部門をバイアウトしており、昨年の開発ピーク時の利益計上などを含めて、財務状況が改善しました。その代償として将来の稼ぐための手足を切っているともいえます。M&Aは成長機会であるため株式市場では愚策とも言えます。2015年などはSIerの成長が始まった年でもあり、他社が好調なのに何やってんの的な感じで、昔から株をやっている人にとっては当社の経営は信頼に値しません、業績的にも波があり、評価もし難いです

加えて2015年の赤字直前に村上ファンドのエフィッシモが余剰キャッシュ(当時200憶以上)と時価総額(当時200憶)の歪みに目をつけ、TOBを実施しており、クレディセゾンが48%保有、エフィッシモが33%保有、持ち合いなどで10%保有となっており、浮動株は極端に少ない状況です。当時は会社に意見を行い、買取を依頼しましたが拒否されており、今現在は純投資を続けており、こう着状態は継続しています。TOB価格は1700円のため、今現在はそのときより割安です。このような状況の浮動株の少ない板薄銘柄なので、時価総額以上のボラティリティがあります。

財務戦略や案件ピークアウトに合わせて、前述の人月ビジネスから高付加価値ビジネスへの転換に舵を切っています。これらの施策は痛みを伴う大胆なものであるため、市場に評価されるには時間がかかるのは容易に理解出来ます。
足許では少しづつ変化も見えてきています。日本電産とのSimple Analyticsを通じた協業や、DataSpiderの適用増加(MDV社のCADA-BOXや紀陽銀行、京都外大への提供など)、フィンテックやIotへの取り組みも活性化しています。アライアンスを強化し、ソリューションの価値向上と成長を模索している状況です。

この20年ほどの業績推移をみると、営業利益は20億~45億程度とレンジの推移ではありますが、上場当時はセゾングループのユーザ系Sierとしての位置づけでしたが、セゾングループから西武や西友が抜けるなど、グループ衰退の中でもしぶとく生き残った企業でもあります。これを見る限り、過去の状況では成長企業ともいえません。ユーザ系のシステム会社は親会社の不採算案件も受けざるおえないこともあり、安定収益と代わりに利益率が犠牲になったりします。特にセゾングループは業績が著しく良いともいえませんし将来性もそんなに大きい訳ではないので、ここがウィークポイントではあります

中計では2018年度の営業利益20億、2019年度30億、2020年度40億と、最終年度に昨年度と同等の利益がでる計画です。昨年の時点では利益半減?ふざけんなこのやろー!的な状況でしたが、株価が半減した現在では新たなステージへの成長とも見えますので、見方を変えると有望にも見えます。来年以降は親会社の軽減税率に対するIT投資の増加やソリューションの伸長も期待できます。本年においても既に上方修正済で営業利益23億円です。下期は当初計画を据え置いていますので、さらなるアップサイドは期待できますし、来期の営業利益30億目標は射程圏となりえるかもしれません。最終年度をeps180円とすると、現在はPER7倍ほどです。今期は既に上方修正済で、eps110円まで上がりましたので、15%成長で巡航し中計最終年度にEPS150円ほどなら期待出来るかもしれません。そうなればPER10でも1500円であり、30%~50%ほどのアップサイドは期待できるかもしれません。

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過去10年の株価を確認すると、利益半減のインパクトは大きく、アベノミクス前と同様の水準となっています

指標:予想PER11倍、予想ROE13%、配当利回り2.7%
指標的には減益なマイナスとPERを考えると単純に割安ともいえません。配当利回りは中長期投資向きな2.5%以上はあります。

今年、注力していたTDCソフトについてもGeekな技術指向な施策などを進め、社内のベンチャー風土の醸成が業績の伸長に寄与しました。TDCなどに比べて市場が東証1部ではないため、注目度もイマイチで株価の視点では気になるポイントではありますが、業績が伸長すれば評価も変わると考えています。当社にも同様の大化けを期待しています。

減益状態の企業に投資するのは自分の投資手法から逸脱するのですが、小野CTOと有望なソリューションの拡張、人月ビジネスからの脱却を考慮すると今の割安な状態なら投資する価値があると思いました。


過去業績の参考サイト:橘優の相場観測鴨とネギの投資生活


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通信系SI勤めのSEで、PMをやっています。保有株は友達を合言葉に企業と共に自分も資産も成長するそんな投資が好きです。同業他社など、地の利を活かせる企業に投資します。当ブログはリンクフリーです。

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